ヤンコール/リオティント間の取引における資金調達に疑問を呈するスタンダーズ・アンド・プアーズ

中国ヤンコール社第2位の株主、ノーブル・グループが直面する財務不安により、同社とリオティントの間で行われている取引の実現可能性に懸念が持たれている 。

同取引には32億米ドルに近い資金調達額が必要だが、ヤンコール社の主要株主である中国政府のエン州煤業(エンシュウ・コール)は、わずかに10億米ドルのみ負担すると発表している。また、ノーブル・グループの信用格付けを引き下げたスタンダーズ・アンド・プアーズ社は、同グループが資金を調達することは「困難」だろうと語っている。

この買収を進め、またヤンコール社株式の希薄化を回避するために、ノーブル・グループは約3億2000万米ドルを負担する必要があると見込まれている。

ノーブル・グループは資金調達に少しでも寄与できるのか?スタンダーズ・アンド・プアーズ社のリード・アナリスト、ダニー・ファン氏は語る。すべてはノーブルが自らの負債および流動性に対する解決策を見つけることができるかどうかにかかっていると。

「現状を見る限り難しいのではないかと私たちは考えています。しかし、彼らは前出のオプションを通じて自らの流動性に関わる問題の解決に取り組んでいるに違いないと私は思います」

ファン氏は以前、ノーブル・グループは年内に債務不履行に陥る可能性があると話したことがある。

ヤンコール社は現在、類似する競合他社の5倍もの負債を抱えており、また過去4年間利益を計上していない。2012年以来、ヤンコール社は13億米ドルの損失を計上しており、投資家は同社への投資1ドルにつき16.8セントの損失を被ったことになる。

加えて、オーストラリアの石炭輸出に対する中国の高まる影響は、長期にわたって戦略地政学状の副次的問題を周辺地域にもたらし、日本および韓国のエネルギー安全保障を脅かす可能性があると数人のセキュリティ・アナリストは警告している。

中国政府は、ヤンコールの取引はアジア太平洋地域の石炭の価格において中国に「大きな発言権」をもたらすものと認めている。

2016年現在、ヤンコール社は出資者の投資1ドルにつき16.8セントの損失を計上している。ヤンコール社の最新の2016年投資収益によると、同社の株主資本利益率 (ROE) はマイナス16.79パーセントとなっている。これに対して、リオティントやBHPビリトン、アングロアメリカンなど、他の主要な鉱業会社はそれぞれ12.05%、8.96%、4.43%とすべてプラスのROEを達成している。